天気が悪いと痛いってなんだろう?

健康情報に関する記事を書くにあたって大事なことをChat GPTさんに聞いてみたところ、自分の専門分野や興味関心の特化、経験や実体験の共有、新しい視点や情報、オリジナルのコンテンツの創造、可視化や対話の促進などが大切であると回答をもらいました。

というわけで、記念すべき健康情報の記事第1号はセラピストにも患者さんにも知ってもらいたい天気と痛みの関係についてです。実際に現場に出ているとよく訴えられる「天気が悪いと痛い」「低気圧が・・・」「寒くなると・・・」などなど、天気によって痛みを訴える患者さんが多いわけです。体調がすぐれない人の中には自分もそうだなと心当たりがある方も多いでしょう。逆に治療者側としてもそういった訴えをよく聞くことがあるのではないかと思います。そういった天候に左右されるような症状に対して上手なアドバイスをくれる医療者はどれくらいいるのでしょうか。自分の肌感覚だとほとんどの医療者がぼんやりとしか説明をしないのではないでしょうか。実際、心や身体のこと、医療の知識や技術はまだまだ解明されていないことの方が多いのでよくわからないことだらけです。しかしながらどの分野でも研究している人はいて少なからずわかっていることもあるでしょう。なので今日はChat GPTの力を利用して天気が悪いと痛いということについて考えていきたいと思います。

まず、ChatGPTに「天候変化による痛みの変化に関する論文」と打ち込んでみました。すると以下のような回答が返ってきました

申し訳ありませんが、私は現在の情報源から直接的なアクセスや引用ができないため、最新の論文の具体的な情報を提供することはできません。天候変化と痛みの関係についての研究は、医学、リウマチ学、神経学などの分野で行われています。

PubMedやGoogle Scholarなどの学術データベースを活用して、天候変化と痛みの関連についての最新の研究論文を検索することをおすすめします。適切なキーワード(例:weather changes and pain, weather sensitivity and pain)を使用して検索し、関連する研究を見つけることができます。

また、リウマチや関節炎などの疾患に特化した専門の学会や団体が発行する論文やガイドラインも参考になる場合があります。関連する学会や団体のウェブサイトを調べ、関連する研究情報を見つけることもできます。

天候と痛みの関係については、個人の体験や報告に基づくアンケート調査や症例報告も存在しますが、科学的な証拠や一貫性のある結果を得るためには、さらなる研究が必要とされています。

Chat GPTからの回答をもとにGoogle Scholarで「weather changes and pain, weather sensitivity and pain」のキーワードで検索をかけてみます。すると全ての言語では約205000件の論文がヒットしました。残念ながら自分は日本語以外の言語が操れないので今回は「weather changes and pain」の日本語訳である「天候変化と痛み」にキーワードを変えて検索してみると、約3430件がヒットし日本語でも十分に論文が出ていることがわかりました。そこから更に新しい情報を得るべく2019年以降のものに絞ってみると447件まで抽出できました。その中からいくつか興味を引くタイトルのものを選定し読んでみました。その結果分かったことを以下に記します。

日本での天候変化と痛みに関する研究の第一人者は名古屋大学の佐藤先生のようで、どの論文にも名前が上がってきます。佐藤先生の2019年第41回日本疼痛学会での発表によると、天気や気候、季節の影響を受けて症状が悪化する痛みを総じて「気象関連性疼痛」と呼び、特に気圧の変化(降下と上昇)と気温の低下に影響を受けるとあります。また、日本だけでなく各国でも研究がされており英国で行われたスマホを使った15ヶ月間の追跡調査によると湿度、気圧、風速と慢性痛の間に相関関係が見出されており気象と痛みの因果関係は以前から明らかではあるが、メカニズムについては明らかになっていない点が多いとされています。佐藤先生の研究では気象関連性疼痛のメカニズムに踏み込んでおり、これまでに明らかになっていることも発表されています。詳細は割愛しますが、ラットによる動物実験で大気圧より27〜40hPa減圧されると血圧と心拍数の上昇、血中ノルアドレナリン量の上昇が起こり交感神経を緊張させるストレス刺激になることを明らかにしています。また、腰部の交感神経を切除したラットでは気圧低下の影響を受けないことから気圧低下による疼痛増悪のメカニズムには自律神経、特に交感神経が影響しているという示唆を得ているようです。また、気圧の変化で痛みが増強するためには気圧の変化を検出する器官がどこかにあると考え、探った結果マウスでは内耳に気圧センサーがあるであろうことを突き止めています。人を対象にした臨床実験では気圧変化によって慢性痛が悪化する患者を被験者として40hPa減圧した環境に暴露すると天候悪化時にみられる症状(頭痛、めまい感)が再現し、気圧を変化させた直後から痛みが増大し、健康な被験者では痛みが出るようなことはありませんでした。さらに低気圧で痛みが出る患者の内耳感覚について両耳後方の乳様突起に取り付けた電極を介して電極を流してめまいの誘発をさせる実験では健常者よりも約1/3の弱い電流刺激でめまいが誘発されることが分かり、以上の結果により内耳が敏感であるということは天候の崩れに伴う気圧の揺れが内耳の気圧センサーを刺激して自律神経の興奮を介して慢性痛を悪化させている可能性があると説明しています。

低温が慢性疼痛を悪化するメカニズムは慢性疼痛モデルのラットでの実験時よると交感神経のあるなしに関わらず低音に対しての疼痛回避行動が見られるため低温による疼痛増強のメカニズムには交感神経が必ずしも必要ではないと考え、皮膚温度受容器の神経活動を調べてみると皮膚温度の低下に対する反応性が健常な動物に比べて高いことが判明したことから慢性疼痛病態での皮膚の冷覚受容器(おそらくTRPVチャネル)の活性化が起こることが低温による慢性疼痛増強のメカニズムの主役と考えられています。

ということで天候が悪いと痛いと訴える人たちに起こっている身体のメカニズムがなんとなくイメージできました。めちゃくちゃ簡潔に言葉にすると「天候変化による痛みの増悪は気圧の変化に敏感な内耳の問題」と説明ができそうです。自律神経、特に交感神経の異常な興奮を抑えてあげることができれば天候変化による痛みに対してもなんらかのアプローチができそうです。次回は天候変化による痛みに対して何ができるのか、何が有効なのかをChat GPTを使って調べてみたいと思います。

本日もお付き合いありがとうございました!

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